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【GPT机翻】战国小町苦劳谭 (戦国小町苦労譚)- 150 [千五百七十六年 十月中旬]

2023-05-15 02:58:53 来源:哔哩哔哩

书名 战国小町苦劳谭

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作者: 夹竹桃


(相关资料图)

原作:http://ncode.syosetu.com/n8406bm/

翻译工具:ChatGPT

*机器输出的翻译结果UP未做任何修正,仅供试阅。标题章节号为原翻译版的顺延。*

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千五百七十六年 十月中旬(*原文网页序列号 - 167)

「今回の武田攻めについては上様からのお許しが出ているから、手加減無しで暴れて良いけど……程々にね?」

“关于本次对武田家的攻击,因为得到了上级的允许,所以可以毫不手软地大肆破坏,但是……也要适可而止哦?”

「恨みを残すようなヘマしないから安心しろって」

“放心,我不会留下任何怨恨的差错。”

不穏過ぎる物言いに安心できる要素がむしろ減ったのだが、信長から直々に好きにさせよとの指示があったこともあって黙認することにした。

不稳定的言辞让我感到更不安,反而减少了可以让我安心的要素,但考虑到信长亲自下令让我随意处理,我决定默许这种情况。

長可については言うべきことは伝えたため、次に高虎の方へと顔を向ける。

长可已经说过该说的话,接下来他转向了高虎。

「藤堂君は東国攻めではなく、西側の守りに回って貰うことになったけれど、何か要望とかあるかな?」

“藤堂君不参与东国攻伐,而是被安排在西侧防线,有什么要求吗?”

「特にはございません。何しろ面白い道具(・・)を預けて頂きましたし、これほどまでに心が躍るのは初めてかもしれませぬ」

“没有什么特别的。毕竟,我们得到了一件有趣的工具(・・) ,这样让人心情高兴的还是第一次呢。”

「ああ、アレ(・・)か。扱いが難しいのが難点だけれど、使いこなせそう?」

"啊,那个(・・)吗。难点在于它难以处理,但看起来可以掌握使用?"

「事前に理屈だけは足満殿より座学にてみっちりと仕込んで頂きましたので、使うだけなら問題はありませぬ。一から作れと言われればまた違うのでしょうが」

"事先理论上培训得很扎实,从足满殿那里学到了这些知识,所以只要使用就没有问题。如果要从头开始制作的话,情况可能就会不同。"

「うーん、ニッケルを処理できる炉は尾張にしかないからね。しかも鉱石自体が日ノ本では採れないから輸入している分高くつくんだよねえ……」

“嗯,能够处理镍的炉子只有尾張了。而且,矿石本身在日本是无法开采的,所以进口导致成本很高……”

「足満殿が語られた電気を使う時代の到来が待ち遠しく思います」

"我非常期待使用电力的时代,如今已经有像足满殿这样的历史事件被讨论。"

東国攻めという華々しい戦果をあげる機会に臨めないというのに、高虎には気落ちした素振りすら見えなかった。

尽管错失了获得东瀛攻略这一辉煌成果的机会,但高虎却看不出丝毫沮丧的迹象。

西国側に配置されるということは貧乏くじにも等しいのだが、とある発明品の存在が彼を手柄などという些事から解放してしまっていた。

被安排在西国这一侧等于没有赢到大奖,但某个发明品的存在解放了他对功劳等琐事的需求。

今回高虎に預けられた装備は、尾張に残る静子の許にも同型のものが一つ配備され、前線に赴く信忠の許にも一つ配備されることになっている。

此次交给高虎的装备,同型号的装备还分别配备给了留在尾张的静子与即将前往前线的信忠。

可動部は少ないのだが部品の損耗率が高いため、静子の力を以てしても現在の処三機を稼働させるのが精いっぱいというのが現状だ。

可动部件虽然较少,但部件的磨损率较高,因此即使靠着静子的力量,运转目前的三台机器已经是精益求精的状态。

話の流れに足満が出た事で、静子はそちらに目を向ける。

在对话中提及了足球,静子便转向那个方向。

「そうそう足満おじさんは少し別行動になるんだけれど、佐渡島(さどがしま)の征伐をお願いできるかな?」

"顺便说一下,足满叔叔会稍微单独行动一下,可以请他协助征讨佐渡岛吗?"

「佐渡か……なるほど、承知した」

"佐渡吗……我明白了" - in Simplified Chinese.

「嫌な役回りを押し付けてごめんね」

“抱歉把讨厌的角色强加给你。”

佐渡島は現代の新潟県西部に位置する離島である。日本有数の埋蔵量を誇る金鉱山の存在で有名だが、史上に於いて金鉱脈が発見されたのは四半世紀ほど先の1601年の事である。

佐渡岛位于现代新潟县西部的离岛。它以拥有日本顶尖的金矿储量而闻名,但是在历史上,金矿脉的发现要追溯到大约四个世纪前的1601年。

『佐渡金山』の名で知られるが、実は金鉱山・銀鉱山の総称であり、中でも相川金銀山の規模が大きく、単純に佐渡金山と言った場合は相川金銀山を指すことが多い。

“佐渡金山”是一个众所周知的名字,实际上是金矿和银矿的总称。其中,相川金银山规模较大。在说“佐渡金山”时,通常指的是相川金银山。

歴史上でも江戸幕府の重要な財源として重宝され、最盛期には一年で金を四百キロ、銀を37トンも産出したという世界でも有数の鉱山である。

这是世界上数一数二的矿山之一,也是历史上江户幕府的重要财源之一。在鼎盛时期,每年产出四百公斤黄金和37吨白银。

相川金銀山には劣るが、外にも鶴子銀山や新穂銀山、西三川砂金山など多くの有望な鉱山が眠っている。

虽然相川金银山不如鹤子银矿山、新穗银矿山和西三川沙金矿山等外部具有许多有前途的矿山, 但它们仍然处于沉睡状态。

史実に於いて上杉景勝が1589年に滅ぼすまで、本間氏の支配下に置かれていたことから足満は本間氏を歴史に先んじて滅ぼすことになる。

历史上,直到上杉景胜在1589年灭亡之前,足满一直处于本间氏的统治下,因此足满将先于本间氏在历史上灭亡。

「静子が気にする必要はない。織田の覇道には必要なのだろう」

"静子不必担心。这对于织田家的霸道是必要的吧。"

因みに佐渡島に関しては今昔物語集にも金に関する話が登場することから、当時でも金が産出することは知られている。それほど表層に於いてすら金を含んだ鉱石が露頭しているのだが、文字通り氷山の一角でしかないと言う事は知られていない。

顺带一提,据《今昔物语集》记载,关于佐渡岛,也出现了有关金子的故事,因此即便在当时,就已知道金子是可以开采的。实际上,包含金的矿石就在地表下,但这仅仅是冰山一角,这一点并不为人所知。

信長は随分と前に静子から献上されて以来、いくさの戦略を練る際に日本地図を読み込んでいたのだが、佐渡に多数の金山が記されていることを発見する。

信长自从静子献上后,制定战略时常阅读日本地图。他发现佐渡岛标有许多金山。

これについて静子に訊ね、佐渡島に巨大な金山が眠っている事を知った信長は早速朝廷に図って佐渡島に関する支配権を手に入れた。

问了静子这件事,信长得知佐渡岛上藏着一座巨大的金矿,便立即着手谋求掌握佐渡岛的支配权,并最终成功。

しかし鎌倉時代から佐渡島を支配し続けている本間氏が素直に応じるはずもなく、信長は別の有力な領地への転封(てんぽう)(国替えのこと)も打診もしたが一顧(いっこ)だにされなかった。

然而,自鎌倉时代以来一直统治着佐渡岛的本间氏并没有顺从,信长曾经尝试向其他有力领地转封(也就是所谓的国替),但都遭到了拒绝。

更にはこの打診が本間氏を刺激したのか、表立っては口にしないものの織田への敵対を決意した様子すらあった。

而且这种趋势是否激发了本间先生,即使没有明确表示,但他似乎也决定敌视织田。

この足満の任務については信長から直接の命令があり、信長からの書状には建前上の任務として本間氏との交渉に足満を抜擢するとあった。

这项任务是由信长直接命令进行的,信长的公函中称为正式任务,并选择足满与本间氏进行谈判。

妙なところで察しの良い静子は、そこに謀略の臭いを感じ取った。そして彼女が勘付いた通り、足満は最初から交渉などするつもりがない。

在一个危机关头,机警的静子察觉到了阴谋的气息。正如她所猜想的那样,足满从一开始就没有打算进行任何谈判。

信長にとって良い条件での提案を蹴った時点で本間氏は滅ぼすべき敵となったのだ。

本间先生在拒绝为信长提出有利条件的提案时,就成为了应当被消灭的敌人。

「あと真田さんは武田攻めに加わって貰います。それが終われば北条に回って下さい、才蔵さんは最初から北条へお願いしますね。あ、真田さんには武田領で噂を流して貰います」

“接下来请真田先生加入武田军的攻击行列。攻击结束后请前往北条领地,而才藏先生一开始就请前往北条。噢,还请真田先生在武田领地散布流言谣言。”

「承知しました。して如何なる噂を流しましょう?」

"知道了。我们要散布什么样的谣言呢?"

「甲斐の産品を現地の値段の三倍で買うと言う内容を密かに行き渡らせて欲しいの」

“希望秘密地传达出‘以三倍本地价格购买甲斐的商品’的内容。”

「なるほど。武田が気付いた頃には半数近くが流出しているという状況を作りだすのですな? 慌てて物資を買い集めようにも領内には物がない。買い戻そうにも三倍以上の値を出す必要がある。武田はじり貧ですな」

“原来如此。您的意思是在武田注意到之前就流失了近半的人?即使匆忙购买物资,在领地内也找不到任何东西可购买。即使想回购,也需要支付三倍以上的价格。武田真的是一贫如洗。”

「目端の利く商人なら潮目を感じ取って商品を売ったら、その足で武田領から逃げ出すよな。肥えた商人から私財を巻き上げることも出来ず、外部から買うには相場の三倍以上の値が掛かるか。相変わらずえげつない事を考えるな、静子は」

“如果眼光敏锐的商人能感受潮流的变化来售卖物品,接着逃出了武田领。无法从肥厚的商人那里夺取私人财产,且从外部购买的价格要达到市场价值的三倍以上。静子还是像往常一样想着过于可怕了。”

「武器をぶつけ合うだけがいくさじゃないのよ。戦端が開かれる前に有利な状況を作るための作戦だと言って欲しいね」

“仅仅互相碰撞武器并不是战争的全部。希望说这只是在战火开启之前为创造有利条件而制定的计策。”

長可の言葉に静子は反論した。彼女は命を惜しんで戦場に立たなくなったわけではない。極論をするなら静子の戦場に於ける価値は、程度の差はあれ他の誰かで代替可能なのだ。

长可说的话激起了静子的反驳。静子不是因为怕死才不上战场的。严格来说,在战场上静子的价值程度或多或少都能够被其他人所替代。

しかし、遥か未来を見据えて国作りを支援し続けられる能吏(のうり)としての静子は、他の誰であろうとも代替できないため命を落とす可能性の高い戦場へは、周囲が絶対に出さなくなったのだ。

然而作为一个具有能力的官员静子,她能够展望到遥远的未来,持续支持国家建设。因此,即使是其他人也不能代替她的工作。然而,她被派往有可能牺牲生命的战场,周围的人绝对不会再派她出去。

それゆえか静子は直接戦闘以外の支援全般に注力するようになっている。武具の製造・整備は勿論、食料や燃料、衣類に医療品、更には兵士たちの定期健診やカウンセリングによるメンタルケアなども取り入れる程だ。

因此,静子开始全力支持除直接战斗以外的所有支援工作。除武器装备的制造和维护外,还包括食物、燃料、衣服、医疗用品以及定期健康检查和辅导等精神护理。

また商業及び流通の総元締め的な立場を活かし、あらゆる方面から常に情報収集を行っている。静子のコネクションは朝廷をはじめ、関西一円の商業圏にも絶大な影響力を持っている。

静子利用自己的商业和流通总负责的地位,从各个方面不断收集信息。静子的关系网在朝廷以及关西地区的商业圈都有着巨大的影响力。

有力な武将である明智光秀や羽柴秀吉にも大きな貸しがあるため、様々な派閥の武家社会にもかなり融通が利く。

由于明智光秀和羽柴秀吉都是有力的武将,所以在各种派系的武家社会中都相当灵活。

更には配下に真田昌幸の率いる間者組織があるため、個人レベルの噂に至るまで網羅される戦国時代最高の情報通と言えるだろう。

而且,由于手下还有由真田昌幸领导的间谍组织,所以可以说是涵盖个人级别谣言的战国时代最顶尖的情报人才。

「ふと思ったんだけれど、私が全く戦場に姿を見せない事を敵方はどう思っているんだろうね?」

“我突然想到,敌方会怎么想,因为我从未在战场上露面?”

「御用商人の『田上屋(たなかみや)』があちこちで静っちの偉業を吹聴しているから死亡説は流れないだろうけど、相手からしたら不気味だよな。着実に静っちの影響力が自分の足もとまで伸びてきているのに、動向は掴めないんだからな」

“由于皇家贸易商人「田上屋」广播他们的成就,所以死亡传言不会蔓延,但对方肯定会感到不祥之兆。他们感到毛骨悚然的是,尽管他们无法掌握动向,但静的影响力已经扩展到了他们的脚下。”

死亡説という台詞が出た時点で才蔵が眉を顰(ひそ)める。慶次の言葉はあながち大げさとは言い切れない。織田家の中に居れば静子の存在と情報は入ってくるが、一度(ひとたび)外部に出れば漏れてくる情報が激減する。

当“死亡论”一词被提出时,才藏皱起了眉头。景次的话并不完全夸大其词。如果留在织田家中,情报和静子的存在会不断传来,但一旦出了门,泄漏出去的情报就会急剧减少。

それでいながらその影響力は絶大だ。戦国最強と謳(うた)われた武田を倒した立役者にして、織田の隆盛を支える原動力となった懐刀、商売に少しでも関われば嫌でも静子の名前は耳に入る。

然而,她的影响力是巨大的。她是打败被誉为战国最强的武田家的功臣,也是支撑織田家兴盛的关键人物。只要稍微与商业有关,就无法避免地听到静子的名字。

織田家が東国に対して攻勢に出ることはいずれ人々の知るところになるだろうが、その時になっても静子の動向だけは掴めない。

織田家对东国发起攻势,这个消息迟早会传开,但即便到了那个时候,也无法掌握静子的动向。

実際にいくさの気配を感じ取っているであろう武田や北条の首脳陣は気が気ではないだろう。

实际上,感受到战斗气氛的武田和北条的领导层肯定很不安。

「うーん。私の露出については少し考える必要があるかな。まあ、それは今後の課題だね」

「嗯。也许我需要考虑一下我的曝光度。嘿,那将是未来要解决的问题。」

今後も折を見て軍議を開き、詳細を詰めていく必要があるのだが、喫緊の話題は尽きた。普段ならその場で解散を宣言するのだが、静子はふと周囲を見回して声を掛けた。

未来还需要随时召开军事会议,深入讨论细节,但现在紧急议题已经讨论完毕。通常情况下我会宣布解散,但静子突然环顾四周发话。

「そう言えば、各所に利益を還元するためにお金を使って欲しいんだけど、誰かやりたい人いるかな?」

“说起来,想要使用资金将利润回馈到各个方面,有人有兴趣做吗?”

静子が問いを投げた瞬間、足満と才蔵以外が手をあげた。

在静子发问的瞬间,除了足满和才藏以外的人都举手了。

静子の許に集まる金は膨大だ。既に経済規模で堺を上回る勢いになっており、富の偏在が顕著になっていた。

静子那里积聚的财富巨大。已经超过了堺市的经济规模,富贵分配的不平等也越来越明显。

信長が戦略的に金を使ってはいるのだが、それでも使い切れない、もしくは現金ではないため使いにくい金が滞留してしまう。

信长虽然在战略上不断使用金钱,但仍然难以用尽,或者因为不是现金而难以使用。

国家事業である愛知用水絡みの大規模土木工事に際して振り出した債権の返済に充てるという手もあるのだが、経済の健全性を保つ意味では毎年一定額を積み立てて定期的に返す方が経済効果も高い。

进行爱知用水相关的大规模土木工程时,有一种选择是把所振出的债权用于偿还贷款。但是从维护经济健康的角度考虑,每年积累一定数额并定期偿还的方式效果更好。

信長からは静子がこれだと思う事に適度に出資せよという大雑把極まりない指示が来ているが、そうそう都合の良い投資先など見つかるはずもない。

信长曾经发出了一条非常笼统的指令,要求适度投资静子认为可行的事情,但并不是所有适合投资的地方都那么容易找到。

そうこうしている内にも、織田領内で流通する貨幣以外に流入している外貨が既に無視できない規模になってしまっていた。

在这样的情况下,流入织田领土以外的外汇已经达到无法忽视的规模。

これに関しては然るべき場所で消費しない事には、他国の経済で貨幣不足が起こり、貨幣の希少性が高くなるに従って物価が相対的に下落するデフレーションを引き起こしつつある。

如果不在适当的地方消费,就会导致其他国家的货币短缺,随着货币短缺加剧,物价将相对下跌,引发通货紧缩。

この外貨の存在を静子も事態が深刻になるまで見落としていた。何しろ織田家影響下の商業圏に於いては、織田家の管理する通貨で取引が出来るためだ。

静子在事态变得严重之前,也没有注意到这种外币的存在。毕竟,在織田家的商业范围内,可以使用織田家管理的货币进行交易。

織田領内では外貨が過多になり、両替商の手元にダブついた外貨は織田領内では使い勝手が悪いが、ため込んでおけば次第に価値が上がっていくため死蔵される。こうして問題が表面化した時には織田家の影響下にある京ですらデフレの傾向が出ていた。

在织田领内,外汇过多,兑换商手中堆积了大量的外币,但在织田领内使用不方便,如果积攒起来,价值会逐渐上升,因此被保存下来。当问题暴露出来时,甚至处于织田家影响下的京都也出现了通缩的趋势。

つまり静子はどうにかして溜まりに溜まった外貨を買い取って、外部に再び還流する流れを作り出さなければならくなった。

换句话说,静子不得不想办法收购积压的外汇,创造外部再流通的流动。

それも可能な限り早急に対処しなければならず、もはや無駄遣い云々を気にしていられる時期を逸してしまっていた。

必须尽可能迅速地解决这个问题,我们已经错过了担心浪费花费的时机。

「私はお金の浪費が嫌いだから貯め込みがちなんだけど、君たちは自信があるみたいだね?」

“我不喜欢浪费钱,所以容易存钱。但你们好像很自信?”

彼女自身が口にしたように静子が金を使う場合、使った以上に何らかのリターンを見込んだ使い方をするため、この問題の解決には全く適していない。

她不适合解决这个问题,因为静子花钱的方式是为了期望获得比花费更高的回报,正如她自己所说的。

当初静子が投資しようとしたのは土地開発に港湾事業、対外貿易の拡充などであったため、信長から待ったが掛かってしまった。

最初静子想要投资的是土地开发、港口事业和对外贸易的扩大,但因为信长的反对而被迫收手。

信長としては静子が自分の身の回りに金を使い、その地位に相応しい家屋敷や宝飾品に衣服などを誂(あつら)えると考えていた。

信长认为静子会将钱花在自己的生活上,买适合她身份的房子、珠宝和衣服等物品。

しかし、実際に静子から信長へと届けられたのは新規事業に対する企画書であった。どの計画も中長期的に収入が見込めるしっかりと練られたものだ。

然而,实际上被静子送到信长手中的是一份针对新业务的企划书。这些计划都是经过认真策划,可以在中长期内获得可观收入的。

それだけに信長が喰らった肩透かし感は甚大であり、ついに彼は静子自身に金を使わせることを諦め、配下に使わせるようにというお達しを出すに至った。

信长深感失望,他最终放弃了让静子自己花钱,而是下令让手下去代为使用。

「任せてくれ! 金を稼いでこいと言われるなら困るが、使うことに関しては一家言(いっかげん)があるぞ」

“交给我吧!虽然如果被要求赚钱我会很困扰,但在使用方面我有发言权。”

胸を張って長可がろくでもない事を口にする。

鼓足勇气,口出狂言。

「ダメ出しされた以外にも文化振興にお金を使ってみたんだけど、それもイマイチだったみたい」

“除了被指出不好之外,我还试图投入资金促进文化振兴,但这似乎也不太行。”

「ああ刀集めしたり、ボロ寺を修繕したり、秘蔵の何やらを見て回ってただけだろ? 長谷川っていう優男を連れて行ってたんだっけ?」

“啊啊,你不就是去收集刀剑,修缮破旧的寺庙,四处寻找珍藏的藏品吗?还带了一个叫做长谷川的帅哥?”

「長谷川さんは楽しんでいたけどね」

“长谷川先生很享受的哦”

静子は五摂家筆頭近衛家の娘であり、朝廷より芸事保護の守護者を命じられ、実際に様々な資料を編纂して発表するという実績を残している。

静子是五摄家首领近卫家的女儿,她被朝廷派为艺事保护的守护者并编纂和发表了各种资料。她留下了实际成果。

このため、本来は門外不出のものや秘匿されている宝物すらも閲覧できる機会を得られるようになっていた。

因此,甚至那些本来只能在门外瞪大眼睛看的东西,或是以往一直被秘密保护的宝物,现在也可以有机会观看了。

長谷川としては利休のツテを以てしてすら閲覧が叶わなかった秘宝を見ることができ、それらに刺激を受けるとともに用いられている技術を取り込んでいった。

长川利休的人脉帮助我看到了以前无法查看的珍宝,并借助它们的灵感逐渐吸取和应用了相关的技术。

「あの長谷川って奴は、結局お抱えにするのか?」

"那个长泽川,最终要被包揽吗?"

「課題を出すんじゃなくて、平時に彼が作っている作品をこっそり見せて貰ったんだけど、それが決め手だったね。彼は意気込むよりも肩の力を抜いている方が実力を発揮し易いのかも知れないね」

"不是他提出任务,而是在平时里,我私下偷偷看了他的作品之后,我才被他折服了。也许他不是心怀大志,而是放松心态、释放肩上的压力,这样更容易发挥实力吧。"

長谷川はかつて静子の出した試験に失敗していた。それゆえ静子は試験として通知せず、彼が普段作っているものを定期的に回収して逐一目を通すようにしてみた。

长川曾经在静子出的考试中失败了。因此静子没有作为考试通知,而是定期回收他平时制作的东西,并逐一检查。

静子は絵画に対する審美眼を持っている訳ではないが、刺激を受ける度に長足の成長を見せる長谷川の才能には目を瞠(みは)るものがあった。

静子并没有什么审美眼光,但每当受到长谷川的艺术刺激时,她不得不对他的才能叹服不已。

「彼自身が良い腕をしていることは勿論。彼の息子も影響を受けて才能の片りんを見せ始めているから、親子ともども将来が楽しみだよね」

“他本身就有一双好手臂,这是毋庸置疑的。而他的儿子也受到了影响,已经开始展现出一丝才华,所以父子俩的未来都很有前途。”

「その為だけに家屋敷まで用意してやるという厚遇っぷりが俺には判らん」

“为了这个,他甚至为我准备了住所,这种慷慨大度我实在是不理解。”

「美術の世界は感性によるところが大きいからね、糊口をしのぐ為に費やす時間を作品の製作に割いて欲しいんだ」

“美术的世界很大程度上取决于感性,所以我希望你能把为了维持生计而花费的时间用于创作作品。”

静子のやっていることは中世ヨーロッパで行われていたパトロンに似ている。それによって長谷川一家の生活の質は格段に向上した。

静子正在做的事情类似于中世纪欧洲的赞助人。这使得长谷川家庭的生活质量有了明显改善。

衣食住に不安の無い状態で多くの学びの機会を与えられるという環境に置かれ、長谷川は今まさにその才能を開花させつつあった。

长谷川正处在一个能够提供充足学习机会且不必担忧衣食住的环境里,使他正在展露出天赋的花朵。

「惜しげもなく使わせている画材だって結構な値段するんだろう?」

“使用的画材肯定不便宜,难道不心疼吗?”

「必要経費だよ。勝蔵君だって練習も無しに明日から短弓を馬上から撃てるようになってねって言われたら困るでしょ?」

“这是必要的开支。如果连胜藏君都没有练习就被告知明天要从马上射箭短弓,那岂不是很不方便吗?”

「まあ、それは無理だな」

“嗯,那是不可能的。”

「彼は今、蛹(さなぎ)を脱し、羽化しつつある蝶なの。大きく羽根を広げ、世界に羽ばたくには今しばらく時間が必要だけれど、それを待つのも楽しみじゃない?」

「他现在正从蛹中脱出来,正在变成一只蝴蝶。虽然还需要一些时间才能展翅高飞,但等待也是一种乐趣,不是吗?」

「俺には判らん世界だ」

"这是一个我不了解的世界"

眉を寄せて口を尖らせる長可の姿に静子は苦笑する。話が大きく脱線してしまった事に気付いた静子は、咳払いをして路線の修正を図る。

静子看到长可皱眉嘟嘴的样子时苦笑了。她意识到话题已经严重跑偏,于是清了清嗓子并试图纠正方向。

「話を戻して、それじゃあ目的の街に着いたらこの手形を最寄りの田上屋で現金化してね。全額使ってくれて構わないから」

“说回来,到达目的地后,请在最近的田上屋兑现这张支票,尽管用完全部的钱。”

「お、話は終わったか。まあ勝蔵じゃないが、俺も金を使うことには自信があるからな。大船に乗った気で任せてくれ」

“哦,谈话结束了吗。虽然我不是胜藏,但我也有信心花钱。请让我像是乘坐大船一样信任我。”

慶次の言葉に静子は考える。出来るだけ早く出立して欲しいが、信長に安土を発つことを伝えていない。

庆次的话让静子陷入沉思。她希望能尽快出发,但信长却未通知安土出发的时间。

「上様に尾張に戻る旨を伝えてくるから、それぞれに出発の準備だけはしておいてね」

“我会传达给上大人您要回到尾张的消息,所以你们每个人都要做好出发的准备。”

静子が暇乞いをすると、信長はすぐにそれを許した。織田家の勢力外で金を落とすのが理想なのだが、いくさを前にした今の時期に主だった配下の武将が遠出をするのは難しい。

当静子请求空闲时,信长立即同意了。虽然在織田家以外花费金钱才是理想的,但是在即将开战的情况下,主要属下武将的远行变得困难。

そこでまずは安土を出て京へ赴き、数日滞在の後坂本へ向かい、今浜に立ち寄って美濃経由で尾張へと戻る順路を取る。

因此,首先离开安土前往京都,停留数天后前往坂本,然后经过今浜顺路经过美濃,返回尾張。

この経路の各地でお金を落として回る必要があるのだが、静子は自分を基準に考え相当な時間を要すると考えていた。

需要在这个路线的每个地方花钱才能绕回来,但静子认为要以自己为标准考虑需要相当长的时间。

「え? もうなくなった?」

"什么?已经没有了?"

京に到着して以降、義父である近衛前久(さきひさ)と打ち合わせをしたり、前久主催の歌会に顔を出したりと慌ただしく過ごしていた静子は、長可が金を使い切ったことに驚いた。

自从到达京都后,静子忙着与她的公公近卫前久商议事项,或者参加他主办的歌会,直到她发现长可已经把钱用完了,她非常吃惊。

「ふふん。こればかりは静子よりも俺の方が向いているな。金は一人で使うよりも、多くが使えば一気に無くなるんだよ」

"呵呵,这方面我比静子更适合。金钱不是一个人使用,而是一次性使用更多,就会一下子消失啊。"

長可の金の使い道は単純にして明快だった。彼は自分の部下で見込みのある者を選んで飯や酒を奢(おご)り、それぞれにある程度まとまった金を渡して好きに使えと伝えただけだ。

长可的金钱使用方式非常简单明了。他会选择自己的下属中潜力较大的人们,招待他们吃饭喝酒,然后仅仅是把一定数量的钱交给他们,让他们随意支配。

長可の部下は、更に己の部下に対して長可がやったように振る舞った。これによって垂直型の金の流れが出来上がった。

张可的部下们仿效他的行为,向他们的下属展现了同样的态度,从而形成了垂直的金流水。

それぞれが思い思いの場所で金を使うため、高級店から大衆店まで様々な場所に金が落ちることになる。こうして水平にも金が広がり、幅広く金が行き渡った。

每个人都在自己心仪的地方花钱,所以钱会流入各种高档商店和大众商店。这样一来,金钱就会水平扩散,广泛流通。

「なるほどね。私は自分が集約して大きなお金を使った方が効果も大きいと考えたけれど、少額ずつに分散して消費に回す方が早く使うという面では理に適っているんだね。ただ、予算以上に金を使い込めと言った覚えはないんだけれど?」

“原来如此。我认为将自己集中在一起使用大量的钱可以产生更大的效果,但分散少量的钱用于消费更适合快速使用。但是我记不得曾经说过要超出预算进行花费了?”

そう言いながら静子は長可に請求書の束を突き付けた。そこには長可の名でツケに回された膨大な金額が記されていた。勿論、その全てを静子が立て替えている。

但静子一边说着这些话,却一边把一大堆账单递给了长可。这些账单上记录着大量的费用,都是以长可的名义赊账的。当然,静子自己全都垫付了。

金が足りなくなったからツケにしたのだろうが、自分の所属を告げているからには請求書は静子の許へと届くのは自明であろう。

金不够了才欠账,但既然已经声明了自己的所属,发票应该明显地被送到静子那里。

「いや、これは俺が払うつもりだったんだ」

“不,这是我打算付的钱。”

「構わないよ。君の今後のお給金から一定額天引きし続けるだけだから。坂本では流石に謹んでよね? 京では近衛家の名前で信用があるからツケがまかり通っているけれど、坂本でやったら営業妨害ととられるよ?」

“没关系。只需要从你未来的工资中扣除一定的金额即可。在坂本,你会小心翼翼吧?在京都,近卫家的名声可以让你逃避责任,但在坂本,这会被视为干扰营业。”

「わ、分かった」

"嗯,明白了"

いくつか軽いトラブルが発生したものの、静子は立ち寄る先々でそれなりの資金を落とす事に成功した。今後は金を使う人の間口を広げる政策も、場合によっては有効だと言う事を静子は学んだ。

尽管发生了一些小问题,静子成功地在每个站点消费了相当数目的资金。静子认为扩大消费者群体的政策,在某些情况下可能是有效的。

静子が尾張に戻った翌々日、彼女は慶次を伴って景勝の許を訪ねていた。彼の住居へ招かれると、越後から人質として連れられてきた者全てが勢揃いしていることに気が付いた。

静子第二天回到尾张时,她带着慶次前往景胜的家中。当他们受邀进入他的住所时,她注意到所有被从越后带来作为人质的人都齐聚在那里。

この状況を一目みた慶次は、彼らが何を言わんとしているかを察したが、静子が口にした言葉は彼の想像の埒外(らちがい)にあった。

看到这种情况,景次一眼就察觉到他们在想什么,但静子说的话超出了他的想象。

「薄々察しておられるようなのではっきりと告げます。来年、越後に大きな転機が訪れるでしょう。それに対して各々がどうしたいのかを確認させて貰います」

"既然你们似乎已经有所察觉,我就明确告诉你们吧。明年,越后将迎来重大转折。我将让每个人都确认自己希望如何应对。"

慶次の予想では越後の置かれている状況を伝えるだけだと考えていたのだが、静子はそれを既に知っているものとして、自分はどうしたいのかと尋ねたのだ。

庆次原本认为只是传达越后的处境,但静子已经知道了,询问他想要怎么做。

彼らは越後が裏切らない保証として差し出された人質である。どうしたいも何も彼らに選択肢など有りはしない。本国が裏切らないことを祈って尾張に滞在するのみだ。

他们是作为越后不背叛的保证而被拿出来作为人质的。他们没有任何选择或决定的权力。他们只能祈祷本国不会背叛,留在尾張。

「人質としての立場は一端棚上げにしてね。貴方達が選べる選択肢は大きく三つ。一つは尾張を脱して親北条派に合流する道。一つは上杉家に戻ってお家の為に親北条派を討伐する道。最後の一つはことが終わるまでここ尾張で根を生やす道。今ならばどの道を選ぶことも私が許します」

“暂时搁置人质的身份。你们可以选择三条路。其一,脱离尾张,加入北条派;其二,回到上杉家,为家族讨伐北条派;其三,暂在此地尾张安身立命。现在,无论你们选择哪条路,我都会允许。”

「希望を伝える前に貴女に問いたい。何故、我々に選択肢を与えるのか? 貴女の立場なれば、我々は人質として尾張に居続けた方が都合はよろしかろう?」

“在传达希望之前,我想问问您。为什么要给我们选择的机会?如果您处于您的立场,让我们继续作为尾张的人质不是更方便吗?”

景勝の問いに対して静子はニコリと笑みを浮かべる。静子は信長から景勝たちの管理を任されているのだ、人質が勝手に居なくなればその責を問われて困ることになるのではないかと景勝は訊ねた。

对景胜的问题,静子露出了微笑。静子被信长委托管理景胜等人,如果人质不知不觉离开,那么她会受到责难并陷入困境,景胜问道。

「上様には好きにして良いと言われているし、今だからこそ言いますがそもそも人質って言うのが好きじゃないんですよ」

“上様告诉我可以随便做,所以我现在讲出来,但说实话,我本来就不喜欢这个人质这个说法。”

しかし静子と信長の出した答えは違った。少なくない費用をかけて人質を無為に飼殺すよりも、故郷以外の世界と新しい価値観を知った彼らが、どのように行動するのかが知りたかった。

但静子和信长的回答不同。他们想知道那些曾经离开家乡去了陌生的世界并接触了新的价值观的人,会如何行动,而不是花费不少的钱将人质无谓地杀死。

果てしなく広い世界の一端を、尾張という窓を通して垣間見ても尚、旧態依然(きゅうたいいぜん)とした価値観に縛られ続けるのが人間という生き物の性質なのかという問いに対する答えが彼らとなる。

通过尾张这扇窗户,我们可以一瞥无限广阔的世界一角,但人类作为生物是否会一直被守旧的价值观所束缚,他们就是这个问题的答案。

外部に出て広く世界を見てもなお、己のお家存続だけに汲々(きゅうきゅう)とするような人質ならば、いっそ本家ごと滅ぼしてしまおうと言うのが信長の意向でもある。

即使出了门,看到了广阔的世界,仍然只关注自己家族的生存而变得紧张不安的人质,信长的意图是干脆消灭掉他们的家族。

「ははは。なるほど、これは我らに与えられた卒業試験という訳ですな? 貴女が撒いた芽がどのような実を付けるか、とくとご覧にいれましょう!」

“哈哈哈。原来如此,这就是我们被赋予的毕业考试的意思吗?让我们好好看看您散布的种子将会结出怎样的果实!”

静子の言葉に対し、景勝は快活に笑って見せた。景勝の浮かべた笑みと、彼に続く家臣達の決意に満ちた目を見れば、改めて答えを聞くまでも無かった。

對於靜子的話,景勝愉快地笑了起來。從景勝的笑容和隨之而來的家臣們充滿決心的目光中,她再次明白了不需要聽取答案。

先ほどまでの何処か淀んだ目ではなく、未来を勝ち取らんとするいくさ人の表情になっていたからだ。

由于他的目光不再迷惘,而是变成了一名战斗者的表情,他要夺取未来。

「答えを聞くまでもありませんね。存分に楽しんでおいでなさい。ここの地で身につけたことは、何かの役に立つことでしょう」

“没必要听答案。尽情享受吧。在这里学到的东西一定会有用的。”

「所詮我らは居ないものとして扱われている人質ゆえ、いくさ場で散ったとて大勢に影響はござらん。しかし、本懐を遂げれば大金星となりましょう。この期に及んで北条に与(くみ)する世間知らずに目にものを見せてやりましょうぞ」

「毕竟我们被当作不存在的人质来对待,就算在战场上阵亡,也不会对大局产生影响。但如果实现了自己的目标,便可成为大功臣。现在这个时机,让那些与北条合作的无知之徒见识一下我们的实力吧。」

「全てが終わった後にお互い生が続いていれば、酒を片手に武勇伝をお聞かせ下さい。私は酒を禁じられておりますので、ご相伴にあずかるのは慶次さんでしょうけど」

「如果在一切都结束后我们彼此都还活着,就请您端着酒杯来听听我的英勇故事吧。因为我不能喝酒,所以享用您的款待就交给慶次君了。」

禁酒令に触れて静子が混ぜっ返すと、皆がドッと声を上げて笑った。

当静子触犯禁酒令并倒入混合饮料时,所有人都大声笑了起来。

「今生の別れとなる人もいるでしょう、皆悔いを残さないようにね」

"也许会有人成为此生的离别,大家要没有遗憾哦" would be the Chinese translation.

その言葉を告げて静子と慶次は景勝の住居を後にした。二人の姿を見送る越後の人々は、彼らの姿が見えなくなるまで頭を深々と下げ続けていた。

说完这番话后,静子和慶次离开了景胜的住所。越后的人们一直低头看着他们的身影,直到看不见为止。

「さてと、彼らの引率は慶次さんにお任せするね。ちょうど向かう先は同じだし、『旅は道連れ世は情け』って言うでしょう?」

“那么,他们的引领就交给庆次先生了。我们正好要去同一个地方,毕竟‘同行是故乡人’,不是吗?”

彼らの潔い生き様を見たためか、うきうきと弾む足取りで廊下を歩みながら静子は慶次に言葉を投げかけた。静子は越後で慶次たちがどのようないくさをするのか、楽しみで仕方がなかった。

静子看到了他们坚毅的生活方式,因此在走廊上蹦蹦跳跳地走着,向慶次投掷了一些话语。静子非常期待慶次在越后进行的战斗。

「うーん、聞かない言い回しだが気に入った。せいぜい引っ掻き回してやるから報告を楽しみに待っててくれよ」

「嗯,这不是常用的说法,但我很喜欢。你就等着好好享受我把你惹急的样子,等着我的汇报吧。」

慶次は首を傾げつつも楽し気な笑みを浮かべていた。その表情はとっておきの悪戯(いたずら)を思いついた悪ガキそのものであった。

"景次虽然歪着头,但露出了快乐的笑容。那表情就像一个想到了开心恶作剧的坏孩子一样。"

余談ではあるが慶次に聞き覚えが無いのは仕方がない。かの台詞は江戸時代に登場した『江戸いろはかるた』の一つだから、今の慶次が知っているはずがない。

这可能是个闲话,无法听到景次的那句话是可以理解的。那句话是江户时代出现的“江户字谜卡片”之一,所以现在的景次不可能知道。

「傾奇者(かぶきもの)の面目(めんもく)躍如(やくじょ)だよね。主戦場が敵地で、しかも寡兵(かへい)(戦力が少ないの意)だよ?」

「扮相为歌舞伎演员的人,真是英勇无畏啊。主战场在敌方领地并且兵力不足,不是吗?」

越後にいる親北条派の動きは良く判っていない。情報統制がはじまっているのか、越後の情報はなかなか尾張に入ってこないが、親北条派が追い詰められていることは間違いない。

越後境内支持北条派的动向尚不明确。是否存在信息封锁,目前无法获取越後的情报。但可以肯定的是,北条派目前处于被迫困境之中。

『窮鼠(きゅうそ)猫を噛(か)む』の諺(ことわざ)にあるように、追い詰められたものは思いがけない反撃に出る事がある。しかも地の利は相手側にあるのだ、難しいいくさを強いられるだろう。

正如谚语『窮鼠猫咬』所说的那样,被迫走投无路的人有时会采取出乎意料的反击。而且对手占据有利地形,这将迫使我们面临困难的战斗。

更に上杉謙信と連携することも難しい。景勝らが向かっている事を万が一にも敵方に知られれば、数で劣る彼らは包囲殲滅されてしまうからだ。

进一步与上杉謙信合作也很困难。如果敌人万一得知景胜他们的行踪,那么由于数量劣势,他们很可能会被包围和消灭。

故に慶次たちは謙信から敵かと疑われないようにしつつ、親北条派と戦って身の証をたてる必要があるのだ。不安要素が山盛りで綱渡りのようないくさになるが、だからこそ面白いと思うのが慶次という男であった。

因此,为了不让信长怀疑景信的忠诚,慶次们需要与北条派战斗并证明自己。虽然有很多不确定因素,这场战斗就像走钢丝一样,但正是因为这样,慶次才觉得很有趣。

「勿論、面白いさ。今のご時世でこれだけのいくさ場を用意して貰えるってのは、いくさ人冥利に尽きるってもんだ」

当然,这很有趣。在现在这个时代,能为战斗场提供如此之多的准备工作,对于战斗者来说,这是乐趣无穷的。

「それは良かった。あ、一応これを渡しておくね」

“那太好了。哦,顺便给你这个。”

そう言いながら静子は懐から紙束を取り出した。表書きがされていない和綴じの冊子を手にした慶次は首を傾げる。

一边说着这话,静子从怀里取出了一叠纸。看着一页也没写过题目的和装订的小册子,慶次疑惑地歪着头。

「これは?」

"这是什么?"

「私なりにこれから起こりそうな状況を想定して立てた作戦。本当に困った時に思い出したら読んでみて? 要らないなら焚き付けにも使えるから邪魔にはならないよ」

「我根据自己对未来可能发生的情况进行了策划。如果你遇到真正的麻烦,请回想起这个计划并阅读一下。如果你觉得不需要,它也可以成为点火物,不会妨碍你。」

静子としては慶次に思う存分戦って欲しいと思う反面、命を落として欲しくはない。故に彼が生存を望むのであれば、可能な限り生還の目を残せるよう知恵を絞ったのだ。

在静子心中,希望景次能够尽情地战斗,但同时也不希望他失去生命。因此,如果他希望生存,她会竭尽所能地想出办法让他活下来。

慶次は静子が己の生き方を尊重しつつも、自分を欲していてくれているのを嬉しく思った。それ故に突き返すのではなく、冊子を懐にしまい込むと一言告げる。

庆次感到很高兴静子尊重他的生活方式,同时也渴望拥有他。因此,他没有拒绝,而是把小册子放进口袋里,仅说了一句话。

「ありがたく貰っておくよ。鎧の下に忍ばせれば弾避けになってくれるだろうさ」

「感激地收下了。如果藏在盔甲下面,可能能帮我避开一些子弹。」

慶次はそう言うと冊子をしまい込んだ胸を拳で叩いてニカリと笑った。

庆次这样说着,将手册塞入怀中,用拳头轻敲胸前,咧嘴笑了起来。

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